「金属パターン形成」

(2011/12/02)

 技術の進展に伴い、金属パターン形成の新しい手法が次々に開発されています。金属パターン形成は、主流はフォトレジスト方式です。露光して、剥離して、残った部分が回路になるため、回路として使用される金属よりも、剥離する金属の量の方が多いため、コストアップの最大の要因になっていました。そこで、直接回路をパターニングすることにより、無駄となる金属をなくし、資源と工程の両面でコストダウンを実現するための研究開発が進んでいます。直接銅をプリントする技術としては、レーザーやインクジェットが活用されており、銀や銅をインク化して、パターンを描き、そのパターンを焼成することで定着させるという工程をとっています。インク化も、焼成も、抵抗値を上げることになるため、大きな課題となっていました。そして、11月30日付の化学工業日報によると、今度は、東レエンジニアリングが「電子写真とメッキの融合による新しい導電パターンの形成技術を開発」したとのこと。金属粉トナーを使用する画期的な技術です。長い間産業を支えてきたレジスト技術が、新しい技術に置き換わる日も、近いかも知れません。

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